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嶋田の戯言

嶋田が思いついたことをテキトーに綴ります

J&Jの受難

 アメリカの医薬品、パーソナルケア製品大手のジョンソン&ジョンソン(以下J&J)が、アジアでの美白製品の販売を一部中止にすると発表した。いずれもアメリカ国内では流通していない物だという。

 どうやら背景にはBlack Lives Matter運動があるようだ。美白製品が「白い肌を推奨している」という批判が出ていたというのだが、別にアジアの人たちは白人のようになりたくて美白製品を使っていたわけではないだろうに。言いがかりもいいとこだな。

 黄色人種は皮膚にシミができると目立つし、人種にかかわらず、年を取れば皮膚のツヤが無くなりくすんで見える。そういう変化を防いだり、日本ではおおっぴらに言えないがシミを消すために使う物であって、別に黒人を差別しているわけでもない。あくまでも綺麗で均一な肌色を目指すもの。美白って言葉が気に入らないのであれば、別の言葉に差し替えれば、何も製品を販売中止にすることもないだろうに。

 そしてそのJ&Jに対し、ミズーリ州の控訴裁判所は、タルクを原料とするベビーパウダーにより卵巣ガンを引き起こしたとして、21億ドルの支払いを命じる判決を出した。アスベストが含まれたタルクを使用した製品を承知の上で販売したというのだが、中皮腫なら納得できるが卵巣ガン? 本当に因果関係はあるのか? それとも中皮腫を発症し、卵巣に転移したって事か? よく分からん。

 ところでタルクという物質だが、日本でも、アスベストと同じ成分だから危険だというのを、ネットでよく見る。アスベストは蛇紋石などが針状結晶となった物で、タルクは蛇紋岩(主な構成要素は蛇紋石)が熱水変成した物。細かな組成は若干異なるが、どちらも含水ケイ酸マグネシウムである。同じ成分と言ってよい。

 だが、含水ケイ酸マグネシウムに化学的な毒性は無い。アスベストは針状結晶であるが故に、肺に吸い込まれると肺の細胞を傷つける。一度だけなら修復して終わるが、繰り返し吸い込むと修復を繰り返すことになり、一部がガン化する。タルクは不規則な粒状の粉体であるため、そのような変化は起こしにくい。吸わないに越したことはないが、多少吸っても問題はない。アスベストの物理的形状が問題なのであって、化学組成が同じでも、タルクは特に悪さをしないのである。そこを間違ってもらっては困る。

 元が同じ蛇紋石であることから、タルクとアスベストは同じ場所で産出することが多い。だから日本ではタルクに含まれるアスベストの量が0.1%以下と規定されているのだが、少なくとも日本国内でベビーパウダーやファンデーションなどに使われているタルクは、アスベストがほぼ検出されない。だから安心して使ってよいのだ。

 J&Jがどんなタルクを使っていたか知らないが、アスベストが含まれていると知った時点で回収すべきだったのだろう。だが、それでも本当に卵巣ガンと因果関係があるのか? と思ってしまう。これを認めるってのはさすがアメリカだな。

 ま、とりあえず、タルクは害のある物質ではない。アスベストさえ含まれていなければ。

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嶋田友馬
性別:
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